日本住宅新聞掲載記事about/media

以下、日本住宅新聞に掲載された記事の内容です

大工職人の技術力を活かして
幅広い分野の建築工事を受注ブランド化事業で長期を初めて経験

ブランド化事業で長期を初めて経験

株式会社市之瀬工務店(埼玉県志木市)は、地域型住宅ブランド化事業のグループ「首都圏住まいを創る会」に施工工務店として参加。平成25年度の同事業で、初めて長期優良住宅を施工した。建設したのは6棟。1社あたりの限度戸数の5棟分でブランド化事業を利用した。その6棟は、賃貸の戸建て住宅。「以前からお付き合いのあるオーナーさんに『高品質の住宅を建てると補助金が出る制度があります』とお話したら、それを建てようと」と市之瀬初男社長(60)は経緯を説明する。

付加価値がある共同住宅を求めるオーナーの要望に応えるように、同社は高性能や防音性能、ペット共生といった特色ある共同住宅を建ててきた。「ハイレベルの賃貸住宅には、高級外車を所有しているようなハイレベルのお客さんが入るようです」。そうした入居者は少しでも傷や不具合があった場合、すぐに連絡してくるという。賃貸住宅でありながら、持家という感覚を持っているようだ。

賃貸料は相場より高くなるものの、入居者はすぐ決まるという。「建てて何カ月も空いているより、すぐに決まった方がわたしも嬉しいですね」と市之瀬社長は笑顔を見せる。これまで同社では長期優良住宅に準ずるような性能の住宅を建ててきたが、6棟の実績を積んだことで、長期優良住宅仕様の住宅を建てられると、うたえるようになった。 「本当に手間でしたが、図面や申請などの8割ほどを自社で行いました。外に投げる会社さんもあるようですが、それだと勉強になりませんから」

自信を持つ技術力 有望な若手も在籍

社員8人の同社の売り上げのうち、約6割が年間7~8棟の木造注文住宅。そのほかにも商工業施設、社寺建築、公共事業などを行っている。「建築全般という形なので、色がないんです」と笑う市之瀬社長だが、大工工務店として大工職人の技術力には自信を持っている。「全体的な管理を行う棟梁がいまして、その息子も職人としてウチにいるんです。まだ30代なんですが、本当にいい仕事をするんです」

すべて自身で原寸の図面を書き、刻んで、型をとって、施工する。「とにかく仕事がきれいなんです。現場監督が芸術作品と言うくらい。ただくっついているのではなく、刃物がピッと切れているんです」。その仕事ぶりは社内はもちろん、施主にも評価されているという。大工職人は、常勤10人、非常勤2人という体制をとっている。昨今の職人不足の影響もあり、同業他社から職人の融通をお願いされることもあるという。それでも自社の仕事が続いていることから、ほとんどの場合で断っているようだ。

大工ありきの経営 腕を活かす仕事を

取材メモ:旧西川家潜り門

志木市本町一丁目の市場坂上交差点沿いにあるのが、「伝統的建造物旧西川家潜り門」。本町二丁目にあった、商家西川家の中庭に建てられていた棟門だ。 棟高3.03m、総長5.454mの欅造りで、屋根は切妻土葺き桟瓦葺き。昭和2年(1927年)頃には、門の両袖に一間長さの腰縦板張り黒漆喰塀があったが、解体時には、右側のみが残されていた。扉や柱に武州一揆の際の刀傷が残っていることや伝承などから、慶応2年(1886年)頃に建てられたとみられる。 西川家の取り壊しの際に市に寄贈され、市之瀬工務店が復元工事を行った。

同社は300坪級の社寺建築の仕事も受注している。現場が始まれば2~3年は続くという。また官公庁の入札にも参加。最近では木造の学童施設を受注した。「(中大規模の木造建築物は)いいですね。雨漏りさせなければ、鉄骨よりも長持ちするんじゃないですか。あれは頑丈ですよ」と言うように、中大規模木造建築物のノウハウも持っている。

腕利きの大工職人を抱え、長期優良住宅や中大規模木造建築物にも対応するなか、市之瀬社長は今後、耐震など、これまでやってきたことを続けながら、〝新和風〟というような住宅をつくっていきたいという。

「やっぱり和風の仕事を大工さんにやってもらいたい。『これは難しいだろ』という仕事でも、大工さんたちはニコニコしながらやりますから」あらゆる分野の仕事を行いながらも、その根底には、大工ありきの経営方針がある。

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